お金ってなんだ?
今日は、貧困について考える日だそうです。というわけで、芸術とマネーについての本を何冊か。
①『金と芸術 なぜアーティストは貧乏なのか』(ハンス・アビング著、山本和弘訳、グラムブックス、2007年1月)
著者は経済学者であり画家であるオランダ人。なぜアーティストの平均収入は低いのか?低い収入しか望めないのに、なぜ多くの人々がアーティストになろうとするのか?という問いを社会学的に解説。
②『アーティスト症候群 アートと職人、クリエイターと芸能人』(大野左紀子、明治書院、平成20年2月)
アーティストとか、クリエイターと自称・他称の人間が飽和している現代社会を分析。「自分ビッグになるわ」&「認めて認めて」欲求に満たされた人たちの巨大な受け皿になっている「アーティスト」という言葉。その皿をぶち壊すのが、ほんとのアーティストだよ!っていうところが辛口で面白い。
③『平等ゲーム』(桂望実、幻冬舎、2008年8月)
瀬戸内海の架空の島が舞台。島民1600人が全員平等で、貨幣も流通しない、完璧なユートピアのはずだった。島の平等な世界しか知らなかった主人公が、本土に渡り、島への勧誘活動をするなかで、描いた絵が成り行きでコンクールに出品され初めて、競争原理、資本主義社会に目を開く。
と、ここで最近のニュース。神戸シネカノンが閉館する。エルマガジン社のエルマガジンも12月で休刊だそうです。両方ともすごく好きだったのに!
こういうニュースを聞いて、いつも思い出すのは、「なぜ、映画館は消えていくのか」の問いに、「映画館が消えていくのではない、我々が映画館から消えてしまったのだ」という答えを導き出した映画監督のツァイ・ミンリャンのこと。
閉店するラーメン屋に行列ができるとか、閉館する映画館を惜しむ声とか、無くなる寸前は、けっこう話題になるけど、それが好きで残ってほしいと願うなら、つぶれないように、もっと通って、お金を払い続ける必要があったという、こちら側の責任もあることを忘れてはならない。
完全な平等はかえって不自然だし、資本主義社会である以上、貧困を撲滅することは不可能だとは思う。だからこそ、支払うお金で、一票を投じるという気持ちでいればいいと思う。お金を渡すのは、これを作ったあなたを支持するという意思表示。
メジャーなもの、流行ってるもの、わかりやすいもの、速いもの、だけじゃなく、自分で試して、考えて、自分がよいと思ったモノ、場所、人には、お金を払い続ける、もしくは、賛同できないものには、お金を払わない、という消費に関する行動だけでも、長い目で見れば、自分の欲しいものを守れるし、それで、本来受け取るべき人に、妥当な報酬が回ってほしいと願います。
う~ん、現実の貧困問題は、こんなナマやさしいことじゃ改善されないと思うけど、まずは、それぞれの立場で、できることから。
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